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2026年1月3日訪問看護のリアル

訪問看護で多い看護内容一覧_現場をイメージできるケース付き

訪問看護に興味はあるものの、「実際はどんな看護が多いのか」が分からないまま求人を眺め続けてしまう方は少なくありません。

 

訪問看護は、病院のようにその場で検査が揃う環境ではなく、生活の場で「状態を見立て、必要なケアを行い、関係者へつなぐ」仕事です。したがって、手技だけでなく、服薬や家族への説明、多職種連携までを含めて一連の仕事になります。

 

この記事では、訪問看護で多い看護内容を一覧で整理し、現場をイメージできるケースも添えてまとめます。まずは「よくある型」を掴む目的で読んでみてください。

 

訪問看護で多い看護内容一覧

訪問看護で頻度が高いのは、概ね次の領域です。

  • 健康状態の観察(バイタル、症状、生活の変化)
  • 服薬の支援(飲み忘れ対策、副作用の観察)
  • 創傷・褥瘡(床ずれ)の処置
  • 排泄ケア(カテーテル、ストマ(人工肛門など)、便秘等)
  • 呼吸ケア(吸引、在宅酸素等)
  • 終末期(ターミナル)(苦しさの緩和、家族支援)
  • 多職種連携(主治医、薬局、ケアマネジャー等)

 

ここから先は、この全体像に沿って具体的なケースを書き、続けて点滴・注射や栄養(胃ろう等)なども短く補足します。

 

訪問1件の流れ

訪問の中身はケースごとに違いますが、流れには型があります。

①挨拶・手指消毒 → 今日の様子を聞く
②観察(バイタル、表情、呼吸、皮膚、動きなど)
③必要なケア(処置、服薬確認、指導など)
④次回までの注意点を共有 → 記録と連絡(主治医・薬局・ケアマネ等)

訪問看護は、ケアの後に「連絡・調整」が続きやすいのが特徴です。ここまで含めて1件の仕事になります。

 

具体的なケース

健康状態の観察(バイタル・症状・生活の確認)

訪問看護の土台は、状態の変化を早めに捉える観察です。会話や表情、動き、暮らし方まで含めて情報を集めます。

 

例:心不全の既往がある方で、息切れが増え体重が増えている場合、浮腫や呼吸状態を確認し、服薬・塩分・水分の状況を聞き取ります。必要に応じて主治医へ報告し、指示につなげます。

 

服薬の支援(飲み忘れ対策と副作用の観察)

在宅では、服薬は「気をつける」だけで続かないことがあります。背景には生活リズムや薬の多さ、手指の動かしにくさなどが重なります。

 

例:朝の薬だけ飲み忘れる場合、原因が「朝食の時間が毎日違う」「取り出しづらい」など生活側にあることがあります。薬局と相談し、一包化(1回分ずつまとめる)や置き場所の見直しで継続しやすくします。

 

創傷・褥瘡(床ずれ)の処置(悪化させない設計)

褥瘡や創傷は、処置だけで改善しないことがあります。体位、栄養、摩擦、湿り気など生活の要素が影響します。

 

例:処置をしても赤みが引かない場合、ベッド上の姿勢、クッションの当たり方、オムツ交換時の摩擦、座位時間などを確認し、ヘルパーや他介護サービスとも連携して整えます。

 

排泄ケア(カテーテル・ストマ・便秘)

排泄は、本人の尊厳と家族の負担の両方に関わります。医療的な管理と、続けられるやり方の両立が必要です。

 

例:尿道カテーテルの尿が濁ってきた場合、発熱や痛み、固定状態、尿バッグの位置を確認し、感染が疑われるなら早めに主治医へ相談します。便秘では、下剤だけでなく食事・水分・活動量も合わせて整えます。

 

呼吸ケア(吸引・在宅酸素)

呼吸は急変につながりやすい領域なので、観察点と連絡基準を明確にします。家族への説明も重要です。

 

例:吸引が必要な場合、痰の量や性状、呼吸数、唇や爪の色の変化(紫っぽくなる等)を見ながら実施します。「どの状態なら連絡するか」も言葉にして共有します。

 

終末期(ターミナル)(苦しさの緩和と家族支援)

終末期は、医療的な評価と家族支援が同時に必要になります。看護では、痛み、呼吸苦、不眠、せん妄(急な混乱)などを観察し、主治医の指示につなげます。

 

例:夜間の呼吸苦が増えて「救急車を呼ぶべきか迷う」状況では、日中から連絡基準を整理し、連絡先と手順を一本化します。

 

多職種連携(訪問看護が「つなぎ役」になる場面)

在宅は関わる職種が増えるため、情報が散らばりやすい構造があります。現場で見えている変化を、共有できる形で渡す役割が出てきます。

 

例:飲み込みが悪くなり食事形態の見直しが必要な場合、主治医への報告に加えて、薬局へ飲みやすい形への変更の相談、ケアマネジャーへサービス調整の相談が同時に走ります。

 

補足:他にもよく出てくる看護内容

点滴・注射(在宅で安全に行うための段取り)

点滴や注射は「毎日ある」わけではありませんが、一定数はあります。在宅では清潔の確保や物品の配置、家族の見守りの有無で段取りが変わります。

 

例:抗菌薬の点滴が必要な場合、実施時間を生活に合わせて調整しつつ、点滴中の観察点(痛み、漏れ、発熱など)と、異変時の連絡手順を家族にも共有します。

 

栄養(胃ろう等)・水分(脱水の予防)

栄養や水分は、状態悪化の引き金になりやすい領域です。胃ろう等がある場合は、手技だけでなく皮膚のトラブルや誤嚥のリスクも含めて見ます。

 

例:注入後に咳が増える場合、注入速度や体位、痰の増加などを確認し、必要に応じて主治医へ相談して方法の見直しにつなげます。

 

日常生活(転倒予防・住環境の調整)

訪問看護は「医療の提供」だけでなく、「安全に生活が回る状態」を整える支援も含みます。転倒や皮膚トラブルは、住環境の影響を強く受けるためです。

 

例:転倒が続く場合、筋力だけでなく、夜間の動線、照明、段差、履物などを確認し、リハビリ職やケアマネジャーと連携して環境調整を優先することがあります。

 

認知症・精神面(症状より、生活の組み立て)

認知症や精神面の不調では、「こうすべき」を押し付けるより、混乱しにくい生活に整える方がうまくいく場面があります。

 

例:夕方に落ち着かなさが強くなる場合、刺激の多さや予定の詰め込み、服薬のタイミングなどを整理し、家族が回せる形に落とし込みます。必要があれば主治医と連携し、薬の調整が検討されることもあります。

 

未経験の方が最初に戸惑いやすいポイント

未経験の方が最初に戸惑いやすいのは、次の3点です。

①情報が少ない中で判断する場面があること:だからこそ、観察と報告の型が重要になります。

②家族対応が看護の一部になること:説明の言葉選び、連絡基準の整理が仕事の質を左右します。

③一人で抱え込まない段取りが必要なこと:連携先や相談ルートを先に作っておくことが安全につながります。

 

福岡市エリアでも、訪問看護の求人を見ている方から「一人で判断できるかが不安」という相談は増えています。

面談の場では、「困ったとき、誰に、どの手段で、どれくらいの時間で相談できるか」を具体で確認しておくことが大切です。

 

まとめ

訪問看護で多い看護内容は、手技だけではなく、生活の中で療養が続くように整える支援や、関係者への連携まで含めて幅広い傾向があります。

まずは冒頭の7領域を軸に捉えると、現場のイメージが掴みやすくなります。

未経験の方は、処置の有無だけで仕事の難易度を判断しがちですが、実際には「観察」「服薬」「家族対応」「連携」の比重が大きくなる場面も少なくありません。

したがって、現場をイメージする際は、看護内容の一覧と同時に、相談ルートや連携体制まで含めて確認しておくとギャップが小さくなります。

 


 

この記事の執筆者✍️
訪問看護ステーション花火
代表/言語聴覚士 出口 陽一朗

福岡市で訪問看護ステーションを運営しながら、
現場での経験をもとに、訪問看護のリアルについて発信しています。

 


 

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