ノンフィクション。
人類のタブーに挑戦して葬り去られた天才科学者の記録。
精神疾患を脳への電気刺激で治療する、
という技術を応用することで人間の精神を操ることができる、
という少し怖くなる内容。
ロバート・ヒースという約50年前に実在した科学者。
「脳深部刺激療法」という実験。
うつ病、依存症、自閉症、依存症
脳に電極を刺し、特定部位に電気刺激を与えることで行動を矯正する。
脳部位の報酬系を刺激する、パブロフの犬に近い内容も。
ヒース博士はすごい実験結果を残したにも関わらず、社会に認められることはなかった。
だが、50年後の現在ではパーキンソン病への脳ペースメーカー等、脳深部刺激療法が再び注目を浴びている。
そんなヒース博士の忘れ去られた記録や文献を集め、
チームメンバーや弟子、家族を取材して回り、
ヒース博士がどんな人物なのか、何を成したかったのかを追うドキュメンタリー。
簡単にまとめるとこんな内容。
面白かった!
のと同時に色々と考える。
人間のマイナス(ケガとか精神疾患とか)を治療しゼロ(健常)にするのが技術。
けど、この技術を応用しゼロをプラス(超人)にすることもできる。
普通の人を恐怖を感じにくい兵にすることだってできる。
人類の技術はこれからもどんどん進化するんだろうけど、それを使う僕らに正しい倫理観が求められる。
この本読んで一番僕が考えたことは、僕の立場もこの本に出てくる技術と同じだということ。
脳深部刺激療法と代表という立場は似ている。
脳深部刺激療法は人間の脳に手を入れることができる。
代表という立場は社員の人生に手を入れることができる。
人事、給与、福利厚生、働き方、権限…
ともに扱う側の倫理観が問われるという意味では同じ。
僕は正しい倫理観を持って社員と向き合うことができているのか。
そもそも倫理観ってのが僕の中で輪郭がぼんやりしていて縁取りができていないんだけど、
今僕が大事にしたいことは社員1人1人の実存を認めること。
「イカの哲学」で言うところの社員をイカとして見ないようにすること。
(過去記事読んでね →【書評】イカの哲学)
だからこそコミュニケーションに拘っている。
色々考えると難しい。
技術の進歩や権限について考える良い機会になった。
殴り書きですがごめんなさーい。